MDS(Measurement Data Service)
ECU に組み込む計測データ送出ライブラリ。マルチプロセッサ系で同期・タイムスタンプ付きのデータ取得を行い、レコーダへ効率的に送出。AUTOSAR / Linux / QNX 対応。
製品概要
MDS(Measurement Data Service)は、ECU の内部に組み込む組込みソフトウェアライブラリです。マルチプロセッサシステムにおいて、効率的・同期的で、タイムスタンプ付きのデータ取得(data derivation)を行います。
ここが重要な区別です。MDILink がセンサの生データを外部で分岐・変換するハードウェアであるのに対し、MDS は ECU の内部からデータを送出するソフトウェアです。「ECU に入る信号」ではなく「ECU の中で何が起きているか」——アルゴリズムの中間値、BSW シグナル、トレース、クローン情報——を取り出したい場合に必要になります。センサ生データの記録だけでは、ECU 内部の挙動は分かりません。
付属の C シンボルパーサにより、XML 信号記述ファイルを生成します。これにより、取得したデータストリームを、高精度シミュレーションや HiL(Hardware-in-the-Loop)システムで後から再利用できます。記録して終わりではなく、再シミュレーション(HiL / SiL)まで見据えた設計になっています。
保護機構と正確なタイムスタンプにより、故障解析・結合試験・試験走行において高い透明性が得られます。データ記録・評価・エラー解析のシステムの一部として、HiL / SiL の再シミュレーション工程で中核的な役割を果たします。
主要仕様
| 形態 | 組込みソフトウェアライブラリ(ECU 側に実装) |
|---|---|
| 主機能 | マルチプロセッサ系での効率的・同期的・タイムスタンプ付きデータ取得 |
| ストリーミング | サイクルベース/時間ベース |
| 転送方式 | バッファ転送/ZeroCopy 転送 |
| マルチコア | マルチコア・マルチプロセス対応 |
| 信号記述 | C シンボルパーサにより XML 信号記述ファイルを生成 |
| 対応インタフェース | HSSL、PCI Express、Ethernet、LVDS ほか |
| API | OS 非依存の独自 API により、正しいデータ転送を保証 |
| 設定 | カスタムヘッダによる独自設定オプション |
| 取得できるデータ | アルゴリズムの中間値、BSW シグナル、トレース、クローン情報 など |
基本情報
| 製品カテゴリ | ミドルウェア/プロトコルスタック(MIDDLEWARE) |
|---|---|
| ブランド | b-plus |
| 型番 / 製品ID | MDS |
準拠規格
| AUTOSAR | AUTOSAR Classic Platform 準拠 |
|---|
対応プラットフォーム
| 対応データ源 | カメラ/レーダ/SerDes(GMSL/FPDLink)・Ethernet/CAN(FD)/LIN/FlexRay |
|---|---|
| フォーマット | MDF4 / PCAPNG、時刻同期 XTSS(IEEE 802.1AS) |
提供・サポート
| 提供 | 見積もり・技術相談に対応(Positive ONE Group) |
|---|
対応OS・プラットフォーム
| AUTOSAR(Classic Platform) | 複合デバイスドライバ(Complex Device Driver)として統合。ARXML 記述。ソースコード提供はオプション。 |
|---|---|
| Linux | デーモン(daemon)として動作。SharedObject 経由で容易に統合。 |
| QNX | リソースマネージャ(resource manager)として動作。SharedObject 経由で容易に統合。 |
位置づけ(他製品との違い)
| MDS(本製品) | ECU 内部のデータを送出するソフトウェア。ECUに実装する。 |
|---|---|
| MDILink | センサの生データを外部で分岐・変換するハードウェア。 |
| 組み合わせ | ECU内部の信号と、センサ生データの両方を、同期して記録できる。 |
主な用途
- ECU 内部のアルゴリズム中間値・BSW シグナルの取得
- AUTOSAR ECU からの計測データ送出
- HiL / SiL 向けの再シミュレーション用データの生成
- 故障解析・結合試験・試験走行での挙動観測
導入メリット
- センサ生データだけでは分からない、ECU 内部の挙動を取得できる
- XML 信号記述の自動生成により、HiL / SiL での再利用ができる
- AUTOSAR / Linux / QNX に統合でき、既存のECU構成に載せられる
- ZeroCopy 転送により、高いデータレートに対応できる
対応環境
- ADAS/AD の ECU 開発環境を想定
- AUTOSAR Classic / Linux / QNX に対応
- 対応構成の確認は当社で承ります
よくある質問
MDILink と MDS は何が違いますか?
MDILink はセンサの生データを外部で分岐・変換するハードウェアです。MDS は ECU の内部からデータを送出するソフトウェアライブラリです。取得できるものが異なります。センサ生データが欲しいなら MDILink、ECU 内部のアルゴリズム中間値や BSW シグナルが欲しいなら MDS です。両方必要な場合は、両方を使い、XTSS で時刻同期して記録します。
AUTOSAR の ECU に組み込めますか?
はい。AUTOSAR Classic Platform へは複合デバイスドライバ(Complex Device Driver)として統合します。ARXML 記述が提供され、ソースコード提供もオプションで選択できます。Linux ではデーモン、QNX ではリソースマネージャとして動作し、いずれも SharedObject 経由で統合できます。
どのインタフェースで送出できますか?
HSSL、PCI Express、Ethernet、LVDS などに対応します。転送はバッファ転送と ZeroCopy 転送を選択でき、ZeroCopy により高いデータレートに対応します。サイクルベースと時間ベースのストリーミングが可能です。
収録したデータは HiL で再利用できますか?
はい。付属の C シンボルパーサが XML 信号記述ファイルを生成するため、収録したデータストリームを高精度シミュレーションや HiL システムで再利用できます。信号記述をソースコードから自動生成するため、ECU のソフトウェアが変わっても追随できます。
見積もりや技術相談はできますか?
はい。Positive ONE Groupが取り扱っており、見積もり・技術相談に対応します。対象ECUの構成(プロセッサ、OS、AUTOSAR の有無)、取得したい信号、転送インタフェース、必要なデータレートをお知らせください。
この製品が含まれるソリューション
この製品は、複数製品を組み合わせた次の構成の要素です。構成全体での位置づけは各ソリューションページをご覧ください。
- ADAS/自動運転 センサ生データ計測 — この製品の役割: 標準多カメラ・LiDARを、時刻同期して記録する
関連製品
お問い合わせ・見積もり
MDS(Measurement Data Service) の見積もり・技術相談は、取扱商社である Positive ONE Group が承ります。
