CANopen の用語
CANopen はすべてが「オブジェクトディクショナリのどのエントリを読み書きするか」に還元されます。この一点を押さえると、以下の用語の関係が整理しやすくなります。
この分野の用語(15語)
用語解説
オブジェクトディクショナリ OD・Object Dictionary
CANopen 機器が持つパラメータ・プロセス値・状態を、インデックス(16bit)とサブインデックス(8bit)で番地付けした表。通信も設定も診断も、すべてこの表への読み書きとして表現されます。
関連: CANopen入門
PDO Process Data Object
周期またはイベント駆動でプロセスデータを送る仕組み。事前にマッピングを決めておき、実行時はデータのみを送ります。最大8バイト・確認応答なしで、制御ループに使われます。
関連: CANopen入門
SDO Service Data Object
OD の任意のエントリを確認応答つきで読み書きする仕組み。8バイトを超えるデータも分割転送できますが、往復が必要なため周期的なデータ取得には向きません。
関連: CANopen入門
NMT Network Management
ノードの状態(Initialising / Pre-operational / Operational / Stopped)を遷移させる仕組み。Operational にならないと PDO は流れません。立ち上げでつまずく原因の多くがここにあります。
関連: CANopen入門
DCF Device Configuration File
そのネットワークで実際にどう設定したかを保存したファイル。構成ツールが EDS を読み込み、設定値を入れて DCF として書き出します。
関連: CANopen入門
CiA 302 追加機能
NMT マスタ、ネットワークブート、Flying Master によるマスタ冗長化(302-2)、プログラム更新(302-3)、多階層ネットワーク(302-7)などを規定します。
CiA 402 モーション制御デバイスプロファイル
サーボ・ステッピング・インバータのステートマシンと運転モードを標準化した仕様。pp / pv / tq / hm / ip / csp / csv / cst の各モードが定義されています。
関連: CANopen入門
MPDO Multiplexed PDO
1フレームにアドレス情報と4バイトのデータを載せ、1つの COB-ID を多数のオブジェクトで共有する方式。識別子の消費を抑えられますが、実データが4バイトに減るため高頻度の制御には向きません。
関連: ミドルウェア/プロトコルスタック
LSS Layer Setting Services
ノード ID とビットレートを、通信経由で設定するための仕組み。DIP スイッチを持たない機器や、量産時の設定自動化に使われます。
関連: CANopen入門
ハートビート / ノードガーディング
ノードの生存監視。ハートビートは各ノードが自発的に周期送信する方式、ノードガーディングはマスタが問い合わせる方式です。現在はハートビートが主流です。
関連: CANopen入門
Flying Master CiA 302-2
複数のマスタ候補から、起動時やマスタ喪失時に優先度に基づいてアクティブマスタを選出する仕組み。NMT マスタの単一障害点を回避します。
ほかの分野の用語集
- 機能安全の用語(12語)
- 車載ネットワークの用語(16語)
- 診断・計測校正の用語(13語)
- デバッグ・トレース・書込みの用語(13語)
- RTOS・ミドルウェアの用語(12語)
用語の解釈でお困りのとき
規格の版によって要求が変わる用語、OEM 固有の解釈が入る用語もあります。適用予定の規格版とご要件をお知らせいただければ、具体的な解釈をご説明します。
