RTOS・ミドルウェアの用語
RTOS とミドルウェアの選定では、機能一覧よりも「どの制約が自社の設計に効いてくるか」を見る必要があります。
この分野の用語(12語)
用語解説
優先度逆転 Priority Inversion
低優先度タスクが保持する資源を高優先度タスクが待つ間に、中優先度タスクが実行されて高優先度タスクの実行が遅れる現象。再現性が低く、トレースなしでは原因究明が困難です。
優先度継承 Priority Inheritance
優先度逆転を緩和する仕組み。資源を保持する低優先度タスクの優先度を、待っている高優先度タスクと同じまで一時的に引き上げます。
関連: リアルタイムOS
SMP / AMP 対称型 / 非対称型マルチプロセッシング
SMP は1つのカーネルが全コアを管理する方式、AMP はコアごとに別のOSを載せる方式。混合クリティカリティで安全機能を隔離したい場合は AMP が基本になります。
関連: RTOSの選び方
ゼロ割込みレイテンシ Zero Interrupt Latency
カーネルが割込みを禁止する区間を持たない(または極小に抑える)設計方針。割込み応答時間の最悪値を小さく保てます。
関連: リアルタイムOS
FTL Flash Translation Layer
生のフラッシュメモリを、ブロックデバイスのように扱えるようにする層。消去ブロック管理、ウェアレベリング、不良ブロック管理を担います。
ウェアレベリング Wear Leveling
フラッシュの書き換え回数を全ブロックへ均等に分散させ、寿命を延ばす仕組み。SD/eMMC はコントローラ側で、生フラッシュは FTL 側で行います。
フェイルセーフ・ファイルシステム
書き込み途中の電源断でも整合性を保つように設計されたファイルシステム。FAT は本来この性質を持たないため、頻繁に書き込む用途では別の方式かアプリ側の対策が必要です。
TLS Transport Layer Security
通信の暗号化と相手認証を行うプロトコル。組込みでは、実装のフットプリントに加えて、証明書の配置・更新と鍵の保管方法まで含めた設計が必要です。
ランタイムライセンス Royalty
出荷する製品1台ごとに発生するライセンス料。量産数量が増えたときの総額を左右するため、ミドルウェア選定では機能差より先に確認すべき条件です。
関連: ミドルウェア/プロトコルスタック
BSP / HAL Board Support Package / Hardware Abstraction Layer
スタックやOSを特定のハードウェアで動かすための下位層。「スタックを買えば動く」とならない最大の理由がここで、対象MCU向けの実装があるかが工数を左右します。
関連: ミドルウェア/プロトコルスタック
ほかの分野の用語集
- 機能安全の用語(12語)
- 車載ネットワークの用語(16語)
- CANopen の用語(15語)
- 診断・計測校正の用語(13語)
- デバッグ・トレース・書込みの用語(13語)
用語の解釈でお困りのとき
規格の版によって要求が変わる用語、OEM 固有の解釈が入る用語もあります。適用予定の規格版とご要件をお知らせいただければ、具体的な解釈をご説明します。
