デバッグ・トレース・書込みの用語
デバッガは「止めて調べる」道具、トレースは「動いたまま記録する」道具です。追える不具合の種類が違うため、用語の整理は選定の前提になります。
この分野の用語(13語)
用語解説
SWD Serial Wire Debug
Arm が定義した2線式(SWCLK/SWDIO)のデバッグインタフェース。ピン数を節約できるため小型基板で広く使われます。
ETM / ITM Embedded Trace Macrocell / Instrumentation Trace Macrocell
Arm コアの実行トレース機構。ETM は命令実行の履歴、ITM はソフトウェアから明示的に出力するイベントを扱います。
関連: デバッグとトレースの基礎
MCDS Multi-Core Debug Solution
Infineon AURIX に搭載されるオンチップトレース機構。マルチコアの実行時間の実測と CPU 余裕度の立証に使われます。
NEXUS IEEE-ISTO 5001
組込みプロセッサ向けのデバッグ・トレースの標準インタフェース。Power Architecture 系の車載MCUなどで採用されています。
関連: デバッグとトレースの基礎
ストリーミングトレース Streaming Trace
プローブ内蔵バッファに貯めるのではなく、ホストへ連続転送するトレース方式。まれにしか起きない現象を長時間追う場合に必要になります。
関連: トレース/ランタイム解析
同期停止 Cross-triggering
マルチコアで、あるコアの停止に合わせて他のコアも同時に止める機能。これがないと、止めた瞬間にシステムの状態が変わり原因究明ができません。
関連: デバッグとトレースの基礎
RTT Real Time Transfer
デバッグインタフェース経由で、ターゲットを止めずに双方向のデータ転送を行う仕組み。printf デバッグの代替として、実行への影響を抑えたログ取得に使われます。
ギャングプログラミング Gang Programming
複数のターゲットを同時に書き込む方式。目標タクトタイムと1台あたりの書込み時間から、必要チャネル数を逆算して設計します。
シリアライズ Serialization
書込み時に、シリアル番号・MAC アドレス・校正値・鍵といった個体固有データを書き込む処理。値の生成元、重複防止、失敗時の欠番処理を事前に決めておく必要があります。
関連: 量産書込みの設計
セキュアブート Secure Boot
起動時にファームウェアの署名を検証し、改ざんされたイメージの実行を防ぐ仕組み。ヒューズ書き込みなど不可逆な工程を伴うことがあり、失敗時の扱いを設計段階で決めます。
関連: 量産書込みの設計
ほかの分野の用語集
- 機能安全の用語(12語)
- 車載ネットワークの用語(16語)
- CANopen の用語(15語)
- 診断・計測校正の用語(13語)
- RTOS・ミドルウェアの用語(12語)
用語の解釈でお困りのとき
規格の版によって要求が変わる用語、OEM 固有の解釈が入る用語もあります。適用予定の規格版とご要件をお知らせいただければ、具体的な解釈をご説明します。
