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SEGGER · 製品構成・ライセンス設計

SEGGER 製品構成・ライセンス設計ガイド

SEGGER 製品は「本体を買えば一式が揃う」構造ではありません。ハードウェア/付属ライセンス/別売ライセンス/IDE/SDK・DSK/組込みランタイムが、それぞれ独立した体系です。6層に分解して整理します。

SEGGER の製品
最も多い誤解
J-Link PRO / Ultra を買っても J-Link SDK は付いてきません(別売の会社単位ライセンス)。
Embedded Studio 通常版に J-Link は付属しません(ただし Embedded Studio PRO には J-Link PLUS と 19-Pin Cortex-M Adapter が同梱)。
embOS・emWin 等は J-Link を買っても使えません(製品組込みには別途ランタイムライセンスが必要)。

まず、よくある4つの誤解を正します

SEGGER 製品は「ハードウェア」「付属ライセンス」「別売ライセンス」「IDE」「開発キット」「組込みランタイム」が独立した体系になっており、 これを混同したまま発注すると、届いてから使えないことが判明します。実際の問い合わせで最も多い誤解が次の4つです。

「J-Link PRO / Ultra を買えば J-Link SDK が付いてくる」誤り
J-Link SDK(型番 8.08.06)は別売の会社単位ライセンスです。PRO や Ultra を購入しても付属しません。自社製IDE・検査装置・製造ツール・Python/C/C# アプリから J-Link DLL を直接呼び出す場合に購入します。PRO/Ultra に付属するのは J-Flash・無制限フラッシュBP・Ozone・モニタモード・RDI といった「高度機能ライセンス」であって、SDK ではありません。
「Embedded Studio を買えば J-Link も付いてくる」通常版では誤り
Embedded Studio 通常版は IDE/コンパイラ/リンカ/デバッガであり、J-Link ハードウェアは付属しません。実機デバッグには通常、両方が必要です。ただし例外として Embedded Studio PRO には J-Link PLUS と19-Pin Cortex-M Adapter が同梱されます。またコンパイルのみなら J-Link は不要で、ST-Link 等の第三者プローブも GDB Server 経由で利用できます。
「J-Link BASE にはソフトウェアが何もない」不正確
正しくは「標準ツールは使えるが、高度機能ライセンスが付属しない」です。BASE でも J-Link Commander・GDB Server・Remote Server・RTT Viewer・J-Scope 等の標準ツールは利用できます。付属しないのはOzone・J-Flash・無制限フラッシュBP・モニタモード・RDI の商用利用ライセンスです。
「SDK と DSK は同じようなもの」用途が正反対
SDK は「J-Link を操作するアプリを作る」ためのもの(自社ツールから J-Link を制御)。DSK は「J-Link が理解できるデバイスを増やす」ためのもの(未対応MCU・特殊Flash・独自Reset手順を追加)。独自SoC × 独自製造ツールなら両方必要になります。
結論:SEGGER 製品は「本体を買えば一式が揃う」構造ではありません。 下の6層モデルで、どの層に何が属するかを切り分けてから見積を組み立ててください。

SEGGER 製品を6層に分けて考える

SEGGER のポートフォリオは広く、製品名だけでは何が何に含まれるのか判別できません。次の6層に分解すると、 「何を買えば何が使えるのか」「何が別売なのか」が一意に決まります。

1
第1層:ハードウェア
J-Link BASE / PLUS / Ultra / PRO / PRO PoE / WiFi / J-Trace PRO / J-Link OB / Flasher シリーズ
実機に接続する物理的なプローブ。ここだけは後から性能を変更できません。
2
第2層:J-Link 標準ソフトウェア
J-Link Commander / GDB Server / Remote Server / Configurator / RTT Viewer / SWO Viewer / J-Mem / J-Scope / J-Run / Device Provisioner / J-Link DLL
J-Link Software and Documentation Pack に含まれ、全モデルで無償利用可。ただしパッケージに実行ファイルが入っていても、J-Flash 等は「利用権」が別問題です。
3
第3層:高度機能ライセンス
J-Flash / J-Flash SPI / 無制限フラッシュブレークポイント / Ozone / モニタモード / RDI / RDDI
PLUS 以上には本体組込みライセンスとして付属。BASE には付属せず、BASE→PLUS アップグレードで追加します。
4
第4層:開発ツール
Embedded Studio / Ozone / SystemView
J-Link 本体とは別製品体系。ただし Ozone は PLUS 以上と J-Trace PRO に付属します。
5
第5層:開発キット(別売・会社単位)
J-Link SDK(8.08.06)/ J-Link DSK(8.08.29)
いずれも会社単位ライセンスで、どの J-Link を買っても付属しません。必要な場合のみ別途購入します。
6
第6層:ターゲットへ組み込むランタイム
embOS / emWin / emFile / emNet / emUSB-Device / -Host / emSSL / emSSH / emCrypt / emSecure / emCompress / emModbus ほか
J-Link や Embedded Studio を買っただけでは、製品へ組み込む権利は得られません(ES PRO 等の包括パッケージを除く)。別途ランタイムライセンスが必要です。
層をまたぐ購入は自動的には起こりません。 第1層(J-Link 本体)を買っても第5層(SDK / DSK)は付いてきません。第4層(Embedded Studio 通常版)を買っても第1層(J-Link)は付いてきません。 第6層(embOS 等)に至っては、J-Link も Embedded Studio も購入権限を与えません。
唯一の例外が Embedded Studio PRO で、これは第4層+第6層+第1層(J-Link PLUS)+19-Pin Cortex-M Adapter を束ねた包括パッケージです。

J-Link SDK と J-Link DSK — 用途は正反対です

どちらも、どの J-Link を買っても付属しません。いずれも別売の会社単位(Company-wide)ライセンスです。 J-Link PRO / Ultra を購入すれば SDK が付いてくる、という理解は誤りです。

名前が似ていますが、目的は正反対です。SDK は「J-Link を操作するアプリを作る」DSK は「J-Link が理解できるデバイスを増やす」ためのものです。独自SoC を独自の製造ツールで書き込む、といった場合は両方が必要になります。

型番 8.08.06
J-Link SDK
自社アプリから J-Link を制御する
J-Link DLL/共有ライブラリ(JLinkARM.dll / libjlinkarm 等)を、自社のアプリケーションから直接呼び出すための開発キットです。C 言語 API、ドキュメント、USBドライバ、各言語のサンプル(C / VB / VB.NET 等)を含みます。DLL をインポートできる言語であれば、Python・C#・LabVIEW 等からも利用できます。
必要になるケース
  • 自社製IDEへ J-Link 対応を組み込む
  • 自社製フラッシュ書込みツールを作る
  • 工場の検査アプリから J-Link を制御する
  • 独自GUIから 接続→消去→書込み→Verify→Reset を実行する
  • シリアル番号・鍵・証明書・校正値の書込み工程を統合する
  • MES 連携・検査結果DB連携を行う
不要なケース
  • IAR / Keil / Embedded Studio / VS Code から通常のデバッグを行う
  • J-Link Commander を使う
  • GDB Server を使う
  • J-Flash を使う
  • Ozone を使う
  • SEGGER 既存ツールだけで運用が完結する
ライセンス
  • 会社単位(Company-wide)ライセンス — 拠点数・ワークステーション数・J-Link台数の制限なし
  • ライセンスサーバやドングルは不要(インストールする鍵はない)
  • 初期ライセンスに 6ヶ月の無償アップデート/サポートを含む(更新契約は別途)
  • J-Link ハードウェアは別途必要
配布時の注意:自社アプリを顧客へ配布・販売する場合、JLinkARM.dll / JLink.dll / libjlinkarm / USBドライバ等は所定の条件で再配布が認められますが、それ以外の SDK 構成物や特殊な配布形態は SEGGER の書面許可が必要になる場合があります。
推奨ハードウェア:USBのみ→PLUS / Ultra | LAN→PRO | テストファーム→PRO PoE | 命令トレースも必要→J-Trace PRO
型番 8.08.29
J-Link DSK(Device Support Kit)
J-Link が理解できるデバイスを増やす
J-Link がまだ対応していないデバイスや、特殊なFlash・独自の接続/Reset/Unlock手順を、自分で J-Link に追加するためのキットです。SEGGER Flash Loader(SFL)と、特殊処理が必要なデバイス向けのスクリプト例が付属します。
必要になるケース
  • 新規MCUが J-Link のデバイスリストにない
  • 独自SoC / FPGA内蔵CPU
  • 特殊な接続・Reset・Unlock 手順が必要
  • 外部Flashの接続ピンが標準構成と異なる
  • 非メモリマップSPI Flash / NAND Flash / I2C EEPROM / 独自Flashコントローラ
  • プレシリコン段階でデバッグ環境を用意したい
DSK で作るもの
  • Device XML
  • J-Link Script File
  • SEGGER Flash Loader(SFL)
  • Windows向けインストーラ
  • 顧客配布用 Device Support Package
作成物が使える場所
  • J-Link Commander
  • J-Flash
  • Ozone
  • Embedded Studio
  • IAR / Keil 等の J-Link 対応IDE
  • Flasher シリーズ
ライセンス
  • 会社単位(Company-wide)ライセンス
  • 6ヶ月の無償アップデート/サポート(2h)を含む
  • J-Link / J-Trace 双方で利用可能
  • 作成した Flash Loader は上記の全ツールから共通利用できる
両方が必要になる典型例: 「標準デバイスリストに無い独自SoC を、自社の製造検査アプリから書き込む」—— この場合、デバイス対応を DSK で作り、その書込みを制御するアプリを SDK で作ります。 構成は J-Link PRO / PRO PoE + J-Link SDK + J-Link DSK となります。

用途別 推奨構成(A〜L)

実際の引き合いで頻出する12パターンを、ハードウェア+ソフトウェア+採用条件の形で整理しました。 自社の状況に最も近いものを起点に、必要に応じてアダプタ・アイソレータを足してください。

A最小コストの一般開発
HWJ-Link BASE
SW半導体メーカー純正IDE または VS Code
Ozone 不要J-Flash 不要ブレークポイントはHW上限(4〜6個)で足りるUSB接続でよい
後から BASE→PLUS アップグレードで引き上げ可能です。
推奨の基準
B標準的な商用開発(推奨の基準)
HWJ-Link PLUS
SWEmbedded Studio Cortex-M Edition、または既存IDE(IAR / Keil / STM32CubeIDE / e² studio / VS Code)
Ozone で本格デバッグフラッシュ上に多数のBPを置くJ-Flash で開発時・少量書込みUSB接続で十分
高度機能が一通り揃い、費用対効果が最も高い構成です。Embedded Studio は必須ではありません。
C高速開発(書込み待ちの削減)
HWJ-Link Ultra
SWEmbedded Studio または既存IDE + Ozone
大容量Flash外部QSPI Flashビルド/書込み回数が多い開発者の待ち時間削減が重要
効果はターゲット側のFlash書込み速度・デバッグクロック上限にも制約されます。低速Flashの小容量MCUでは PLUS との差は小さくなります。
D遠隔開発・共有設備
HWJ-Link PRO
SWJ-Link Remote Server + Embedded Studio / Ozone / 既存IDE
ターゲットと開発PCが離れている恒温槽・試験室・シールドルーム海外拠点とのリモートデバッグ共有評価ボード
社内LAN または VPN 環境が前提です。
Eテストファーム / CI
HWJ-Link PRO PoE
SWテストサーバ + J-Run / GDB Server / Remote Server(+必要に応じ J-Link SDK)
多数の評価ボードをラックに常設夜間自動テスト電源・LAN配線を簡素化したい複数拠点からアクセス
Embedded Studio を CI サーバで自動実行する場合、開発者用とは別に Automated Environment License が必要です。また PoE で給電されるのはJ-Link 本体であり、ターゲット基板の電源は別問題です(Test Farm Power Adapter を検討)。
F自社製の検査・書込みアプリ
HWJ-Link PRO / PRO PoE
SWJ-Link SDK(8.08.06) + 自社GUI / Python / C# / C++ アプリ
オペレータ向け専用画面MES連携シリアル番号管理鍵・証明書の書込み検査結果のDB連携
SDK は PRO を買っても付属しません。必ず別途手配が必要です。
G未対応デバイス / 特殊Flash
HWJ-Link PLUS / Ultra / PRO
SWJ-Link DSK(8.08.29) + SEGGER Flash Loader(必要に応じ J-Link SDK)
独自SoC標準デバイスリストに無い新規MCU独自Reset / Unlock手順プレシリコン段階
DSK で作成した Flash Loader は、J-Flash・Ozone・Embedded Studio・第三者IDE・Flasher から共通利用できます。
H命令トレース / 機能安全
HWJ-Trace PRO
SWOzone(J-Trace PRO に付属)+ Embedded Studio または既存IDE
再現性の低い不具合ハードフォルト直前の実行履歴解析コードカバレッジ性能ボトルネック解析割込み競合・タイミング依存障害
J-Trace PRO は J-Link 相当のデバッグ機能を含むため、別途 J-Link を買い足す必要は通常ありません。ただしターゲット基板側に ETM / Trace Port の配線・コネクタ設計が必要です。
I少量生産
HWJ-Link PLUS / Ultra / PRO
SWJ-Flash(PLUS以上に付属)+ 製造用PC
PC接続の書込み工程評価機・修理・再書込みシリアル番号 / MACアドレス管理
連続運転・PCレス運用が必要になった時点で Flasher へ移行します。
J本格量産
HWFlasher ARM / PRO / Compact
SWJ-Flash(全 Flasher に内蔵)+ Stand-alone Project
PCレス書込み生産ライン連続稼働・高い繰返し耐久性操作ミス防止書込みデータの保護
Flasher は「量産を主目的に設計された専用機」です。未対応デバイスの場合は J-Link DSK で Device Support を作成します。
Kフィールド保守
HWFlasher Portable PLUS
SW暗号化/保護された書込みイメージ
現場でのFW更新電源のない環境作業者向けの単純操作
現場作業者向けの操作手順書とセットで運用します。
LSEGGER 統合プラットフォーム
HWEmbedded Studio PRO(J-Link PLUS + 19-Pin Cortex-M Adapter 同梱)
SWembOS / emNet PRO / emFile PRO / emUSB-Device・Host PRO / emWin PRO / emSSL / emSSH / emCrypt PRO / emSecure / emCompress / emModbus / IoT Toolkit / emPower 評価ボード
MCUソフト基盤を SEGGER で統一複数ミドルウェアを同時採用個別購入より包括構成が合理的
含まれる各ミドルウェアについても、最終製品・CPU・コンパイラ・製品ファミリー・拠点等のライセンス範囲は別途確認が必要です。
迷った場合の既定値は 構成B(J-Link PLUS + 既存IDE または Embedded Studio)です。 高度機能が一通り揃い、開発と少量書込みを兼用でき、費用対効果が最も高い構成です。 そこから「速度が要る→C」「遠隔→D」「テストファーム→E」「自社アプリ→F」と分岐させるのが確実です。

組込みミドルウェアのライセンス設計

embOS・emWin・emFile・emNet 等は、J-Link や Embedded Studio 通常版を購入しても製品へ組み込む権利は得られません。 これらはターゲット製品に載せるランタイムであり、別途ライセンスが必要です(Embedded Studio PRO 等の包括パッケージを除く)。
基本的な性質

SEGGER のRTOS/ミドルウェアは、多くの場合そのライセンスは次の性質を持ちます。

永続ライセンス(一回払い)ロイヤリティフリー生産台数 無制限開発者数 無制限(ライセンス形態による)ライセンスサーバ/ドングル 不要初期サポート・アップデート期間を含む
ただし、範囲は次で制限されます
製品製品ファミリーCPUアーキテクチャコンパイラ/IDE法人拠点ソースコード/オブジェクトコード
ライセンスモデルの選び方
Single Product License単一製品
一つの製品名/型式に限定。医療機器1機種、産業用コントローラ1機種など。
型式・製品名・機能が変わると追加ライセンスになる可能性があります。
Product Family License製品ファミリー
共通機能・共通用途・共通市場を持つ製品群。同一シリーズのHMI、容量違いのPLC、画面サイズ違いの操作端末など。
「similar functionality / identical purpose / similar market」の3条件を満たす必要があります。
CPU LicenseCPUアーキテクチャ単位
選択したCPUアーキテクチャとコンパイラの範囲で、複数製品へ利用可能。STM32/Cortex-M を全社標準化している場合に有利。
同じCPUでもコンパイラ/IDEを変更すると追加ライセンスが必要になる場合があります。例:embOS Cortex-M(IAR版)→ embOS Cortex-M(Embedded Studio版)は別ポート扱いになり得ます。
Company-Wide Buyout全社買切り
一法人内で開発者数・製品数・拠点数すべて無制限。
子会社・関連会社・外部コンサルタントは自動的には含まれない場合があります。対象CPUアーキテクチャも契約条件によります。
最も見落とされる落とし穴:コンパイラ/IDE の変更。 同じCPUであっても、ツールチェーンを変更すると別ポート扱いとなり追加ライセンスが必要になる場合があります。 例:embOS Cortex-M / IAR版embOS Cortex-M / Embedded Studio版。 ツールチェーン移行を検討している場合は、必ず事前にご相談ください。

見積前チェックリスト

次の項目が埋まっていれば、モデル・ライセンス・アダプタ・開発キットの必要型番を一度で確定できます。 不明な項目があっても構いません。分かる範囲でお知らせいただければ、当社で不足分を確認しながら構成を組み立てます。

ターゲット
  • 対象MCU / SoC の正式型式
  • CPUアーキテクチャ
  • JTAG / SWD / cJTAG / SWO / ETM 等の接続方式
  • 内蔵Flash・QSPI・NAND・eMMC・EEPROM の構成
  • デバッグコネクタの形状・ピン数・ピッチ
開発体制
  • 使用IDE / コンパイラ
  • 開発者数
  • 拠点数
  • 子会社・委託会社・海外拠点の利用有無
  • 商用開発か評価か
必要機能
  • Ozone の要否
  • 無制限フラッシュBP の要否
  • J-Flash の要否
  • モニタモードの要否
  • リモート接続の要否
  • CI / Build Server での利用
  • 命令トレースの要否
開発キット
  • 自社アプリから J-Link を直接制御するか(→ SDK)
  • 未対応デバイス・特殊Flashがあるか(→ DSK)
量産
  • 少量生産か量産か
  • PCレス書込みが必要か
  • コネクタレス基板か(→ ニードル / 治具設計)
ライセンス
  • ライセンスを J-Link に格納するか(J-Link-locked)
  • Floating / Site / Company-wide の要否
  • Support and Update Agreement の期間
  • 製品名・型式変更時のライセンス影響
  • コンパイラ変更時のライセンス影響
最低限、この4点だけでも構成の当たりを付けられます: ① 対象MCU の型式 ② デバッグコネクタの形状(回路図の該当部) ③ 使用IDE ④ 台数と用途(開発/量産/CI)

よくある質問

J-Link PRO を買えば J-Link SDK は付いてきますか?
いいえ。J-Link SDK(型番 8.08.06)は別売の会社単位ライセンスで、どの J-Link を購入しても付属しません。PRO / Ultra / PLUS に付属するのは J-Flash・無制限フラッシュBP・Ozone・モニタモード・RDI といった「高度機能ライセンス」です。自社製の検査装置・製造ツール・IDE から J-Link DLL を直接呼び出す場合にのみ SDK が必要になります。
Embedded Studio を買えば J-Link も付いてきますか?
通常版には付属しません。Embedded Studio は IDE/コンパイラ/リンカ/デバッガであり、J-Link は別製品です。ただし Embedded Studio PRO には J-Link PLUS と 19-Pin Cortex-M Adapter が同梱されます。なおコンパイルのみであれば J-Link は不要で、ST-Link 等の第三者プローブも GDB Server 経由で利用できます。
SDK と DSK はどう違いますか?
用途が正反対です。SDK は「J-Link を操作するアプリを作る」もの(自社ツールから J-Link を制御)。DSK は「J-Link が理解できるデバイスを増やす」もの(未対応MCU・特殊Flash・独自Reset手順を追加)。独自SoC を独自の製造ツールで書き込む、といった場合は両方必要になります。
J-Trace PRO を買ったら、別に J-Link も必要ですか?
通常は不要です。J-Trace PRO は J-Link 相当のデバッグ機能と高度機能ライセンス(J-Flash・無制限フラッシュBP・Ozone 等)を含みます。ただし命令トレースを取得するには、ターゲット基板側に ETM / Trace Port の配線とコネクタ設計が必要です。
Flasher と「J-Link + J-Flash」はどちらを選ぶべきですか?
J-Link + J-Flash は「開発用プローブを量産にも流用する」構成、Flasher は「量産を主目的に設計された専用機」です。連続稼働・PCレス運用・設備保全・工程管理・現場での操作性を重視する場合は Flasher を推奨します。全 Flasher モデルには J-Flash ライセンスが内蔵されています。
embOS や emWin は J-Link を買えば使えますか?
使えません。SEGGER のRTOS/ミドルウェアはターゲット製品へ組み込むための別ライセンスです。J-Link や Embedded Studio 通常版を購入しても、製品への組込み権は得られません(Embedded Studio PRO 等の包括パッケージを除く)。ライセンスは永続・ロイヤリティフリー・生産台数無制限ですが、対象製品・CPU・コンパイラ等の範囲が定められます。
同じCPUなら、コンパイラを変えてもライセンスはそのまま使えますか?
使えない場合があります。SEGGER のミドルウェアは CPU アーキテクチャとツールチェーンの組合せでポートが分かれるため、例えば embOS Cortex-M(IAR版)から embOS Cortex-M(Embedded Studio版)へ移行すると、契約上は別ポート扱いとなり追加ライセンスが必要になることがあります。ツールチェーン変更を予定している場合は、事前にご相談ください。
CI サーバで Embedded Studio を自動実行したいのですが。
開発者用ライセンスとは別に、Automated Environment License が必要です。ビルドサーバ・CI 環境での使用を許諾するライセンス形態です。テストファーム構成(J-Link PRO PoE 等)と併せてご相談ください。

関連製品

構成のご相談・お見積り

SEGGER 製品の構成・ライセンス選定を承ります。次の4点をお知らせいただければ、必要な型番一式を確定してご提案します。

  • 対象MCU / SoC の型式
  • デバッグコネクタの形状(回路図の該当部)
  • 使用IDE / コンパイラ
  • 台数と用途(開発 / 量産 / CI / 自社アプリ統合)